第壱話 姫の幼少期について

産まれは日本。福岡県。菩薩のような心根を持つ母と、虎のようにダイナミックな父との間に生まれる。産まれた瞬間の記憶は、今もちょっとだけ残っているそうだ。

赤ちゃんにしては、あまりにもきりりとした凛々しい顔立ちと佇まいだったため、女の子用のピンクの産着を着ているにも関わらず、常に男の子に間違えられるほどの、まるで男らし過ぎる侍(SAMURAI)のような女の子だった。

子供時代は超のつくほどの人見知りで、同じ部屋に居ても、居ることに気づかれないほどの静かさだった。好きなことは空想。様々な物語を創造しひとりで空想しながら、楽しんでいた。けれどもそんな大人しさとは裏腹に、面白いことは昔から好きで、人見知りのくせに内心は馬鹿なことをやりたがる、内弁慶な面もあったとのこと。

幼稚園時代の姫が一番好きだったことは、幼稚園の園庭のはじっこに一人で座り、シャボン玉をしながらみんなが楽しそうに遊んでいるのを見ること。自分は輪には特に入らず、眺めているのが好きだった。

因みにこの頃の姫が好きだったアニメは「うる星やつら」と「D’rスランプアラレちゃん」その中でも好きなキャラクターはそれぞれ、こたつ猫とメガネさんとサクラさんとチェリーとジャリ天(テンちゃん)、ドクターマシリトとキノコちゃんだった。

小1あたりから、ピアノ、書道、公文、そろばん、楽団など、様々な習い事をする。ピアノは中二の冬まで八年近くやっていたが、姫が述べるに、全然うまくないらしく、「八年近くもやっててその程度?!って言われるくらいイケてない感じ」だそうだ。

書道の腕前はなかなかのものだったそうで、小2の頃には作品が新聞に掲載され賞をもらうほどであった。公文とそろばんは習い始めたが長続きはせず、特にそろばんに関しては「何一つ、習ったことの一ミリも覚えていない。かろうじて覚えていることは、そろばんをウクレレ代わりにしてふざけて歌を歌ったことがあることぐらい」とのこと。

そんな中でも夢中になったのは楽団。そのせいかますますピアノの練習がおざなりになり、当時のピアノの先生に、「どうしてあなたはクラリネットはそんなに頑張るのに、ピアノはちゃんと出来ないの?バカなの?」とレッスンの度に鬼のように怒られ続け、そのあたりから、ピアノ教室をやめたい、行きたくないと真剣に悩み始めるようになる。

楽団ではクラリネットとバスクラリネットを担当。国体のマーチングを務めたり、全国大会にも出場するなど、朝練、昼練、放課後練と、幼いながらに夢中になって頑張っていた。その頃の訓練のせいか、今でも姫の耳はとても敏感。

そんな姫のイケイケデビューは小4あたり。当時テレビで流行っていたアニメ「グーグーガンモ」のものまねが超絶うまく、クラスの女子の前でやってみたところ大受け。以降、人見知りつつもやるときゃやる感じのキャラで乗り切る。

この頃から、紫色が好きで好んで身に着けていた。紫のタイツ。紫チェックのスカート。紫の花が付いたセーター。姫の母がおしゃれに明るい人で、ピアノの発表会などには黒いベルベットに金の刺繍がほどこされたスーツに真っ白のロングブーツを身に着け、普段着に豹柄のパンツをいちはやく取り入れるなど、結構当時でもイケてるトッぽいセンスの小学生だったらしい。

因みにこの頃の姫が将来なりたかった職業はデザイナー。理由は「よく分からないけどなんとなくかっこいい感じがするから」だったそうだ。そしてこの頃、流行っていた漫画は北斗の拳とドラゴンボールとキャプテン翼。姫も全部好きだったそうだが、特に夢中になっていたのが「ハイスクール奇面組」という漫画。この漫画に登場するキャラ「一堂零」が当時の姫の理想のタイプだったそうで、将来はああいう人と結婚したいとまで思っていたそう。

因みに北斗の拳ではレイとトキ、キャプテン翼ではミスギ君が好きだったとの談。主役のケンシロウと翼君に関しては、主役だから仕方ないにしてもカッコよすぎておいしい役過ぎるからあんまり好きじゃなかったそう。そんな中で奇面組の一堂零は、脇役好きの姫にはめずらしく、主人公であった。