しいなえいひアメリカツアーレポート「ダラス編その3!みんなの想い、気持のカケラ」

ダラスに着いてレッドカーペットも歩き、いよいよイベントの幕開けです。
各ブースでは、ブースごとに様々なイベントが開催されています。
イベントはそれぞれ時間ごとに区切られていて、
サイン会、握手会、映画の上映や記者会見、舞台あいさつなどなど、
私たちも合間を縫ってテレビ取材や記者会見など、毎日分刻みの
スケジュールです。

ダラスについた日の夜、ヘルドライバーは好評のうちに無事上映。
舞台あいさつも西村さんはふんどしにこそなりませんでしたが、
しいなさんは着物で、西村さんはいつも通りのテンションで元気に舞台に立ちました。

残念ながらヘルドライバーの上映の際の写真は撮れませんでしたが、
会場はとても盛り上がっていましたよ!

そして一夜明けていよいよサイン会イベントの開催です。
ニューヨークでの上映とサイン会はおかげさまで大盛り上がりでしたが、
ここダラスでも、たくさんのファンの皆様にお会いできるのか?!

はやる気持ちを抑えながらしいなさんはブースにむかいました。
会場のマイクでは、マークさんが
「今からいよいよ、しいなえいひと西村さんのサイン会イベントが始まるぜ!」
と発表してくれています。

よっしゃああああ!!いくぜ!!
カモーーン!ダラスのベイビーズ!!

てなテンションでブースに行ったら・・・・

















どうだああああああああああ!!!!
いっぱい来てくれたよ・・・(涙)
フレームに収まりきれないほどの、ベイビーズの素敵な笑顔をお届け。
始まる前から、こんなに並んでくれていたのよ(涙)

この人たちも、日本のみんな(ベイビーズ)の仲間だよ。
絶対にそうだよ。

そう思い、思わず自らベイビーズにカメラを向けてご挨拶。
「ベイビーズ!!プリーズルックマイカメラ!!」


よっしゃああああああああああ!!
いくぜ!!サイン会スタートだよ!!









そしてサイン会は始まった。
Tシャツ、着てきてくれてる!!




オーディションのポスターも!




おんなじポーズ、してみた。



そしてそして!!!前回の予告で写っていた一枚の写真の秘密がここに!!!









どうですかああああああああああ!!

あのフィギュアの作家さんが、あたしに会いに来てくれました!!
彼はあのフィギュアを創作しているアーティスト。
数々のスターフィギュアの中に、しいなえいひフィギュアもあったのです!

彼はあたしに、このフィギュアを差し出して、
「プレゼントフォーユー!!」と言ってくれました。

しかもこのフィギュアは、ファースト1
限定発売の一番最初のナンバー1が刻まれているのですよ!!

わたしは彼に感謝の意を述べた。

「どうもありがとう。わたしの一生の宝物にします。なにかお礼をしたいのですが」

そしたら彼は言いました。

「えいひ、ありがとう。でも僕はお礼なんていらないよ。
 喜んでくれただけで幸せだ。僕は君に、こうして会えたのだから。
 そして僕は、いつも君から素敵な映画という
 宝物をもらっているのだからね」

わたしはその言葉に泣いた。
全米ならぬ、「全英(えいひの英)が泣いた」くらいの勢いで。

なんて素敵な言葉だろう。
この言葉を、気持ちを、わたしは一生の宝物にしようと思った。
ひとつひとつ、丁寧に作ってくれたフィギュア、
それに込めた思い、いただいた言葉、笑顔、すべてがあたしの宝物だと思った。


写真に写っていないベイビーズも、一人ひとりが、一生懸命話しかけてくれた。
大きなポスターをもって、DVDをもって、会いに来てくれた。

限られた時間の中で、お話しできるのはひとりに換算したらほんの数分だけど、
あたしにとってその時間は、すべてが貴重な宝物だったと思う。

わたしが出演した映画の、ここが好きだと熱く話してくれるファン、
こうしてこのイベントに来てくれてありがとうという言葉、
今の日本に対するみんなの愛にあふれた気持ち、
わたしがこの場所にやってきた意味を、感じ取ってくれていた。

ひとりひとりの肩を抱いて、あたしは写真を撮った。
近くで顔を見て、ぬくもりを感じて、みんなの笑顔を、思いを受け取り、
心に焼き付けた。

わたしは、ここ数カ月、ずっと迷いの最中にあった。

3月11日、日本はそれまでの平和な風情から一変し、その色合いを変えた。
13日の夜、あたしは以前から入っていた撮影のスケジュールに向かった。

その日現場に向かう、辛く複雑な気持ちは今でも忘れられない。
現場に向かう直前まで、わたしは混沌の中にいて、
自分が今まで積み重ねてきたさまざまな思いと、
傷ついたぼろぼろの気持ちを抱えて現場に向かった。

わたしの今できることなんて、
そんな言葉が何度も自分の心をえぐった。

わたしみたいな仕事についてる人間は、お気楽な仕事に思えるのだろうか。
あってもなくてもいいような仕事、人でなしなんだろうか。
何度も何度も、そんな思いが心を駆け巡った。

この仕事が、必要とされるまでには、きっと多くの時間がかかるだろう。
今の世の中に必要とされているのは、娯楽よりも人々の生命、食糧、
安否や安心、安全。

そんなことは最初からわかっていた。
誰に言われなくても。

あたしにできることはとても少ない。必要とされていないかもしれない。
けれども、なにかをやらなければ。前に進まなければと思った。

わたしにできること。自分の周りにいる人々を、自分の責任を、
放り出すことはできない。今の自分がすべきこと、ひとつひとつ、
誰に何と言われても、精一杯、今やるべき仕事を命をかけてやる。
それしかないと思った。

あたしにできることなんて、
世の中においては、ほんのちいさな、かけらのようなものだろう。
けれどもそこには、それまでの様々な想いと、願いに似た祈りがあった。
わたしがなぜ、今もこうしてモノを創っているのか、
この場所で言葉を紡いでいるのか。

その意味は、一言で言えることではない。
どれだけの言葉を紡いでも、伝わらないものなのかもしれない。

それは長い長い時と、作品や言の葉を積み重ねた先に
たったひとつだけ、残るちいさな面影のようものかもしれない。
風に吹かれれば、その瞬間に、空に消えてなくなるような、
ちいさな存在なのかもしれない。
けれども、もしもそうだったとしても、
わたしがこの場所にいる以上は、生きている以上は、
今までも、これからも、その思いを変わらずに抱き、
精一杯歩いていかなければとそう思った。


そのちいさな思いのカケラを、受け取ってくれたベイビーズ。
補完計画にお便りを送ってくれた人。
わたしが震災直後、補完計画のトップに掲げたある言葉に込めた思いを、
その意味を受け取ってくれた人々。
たくさんのメッセージ。気持のカケラ。
心から、感謝している。

ニューヨークで、ダラスで、日本で、世界のどこかで、
こうして繋がってくれる、つながっていられる人々の思いに、
わたしは、これから何ができるだろうか。

日々悲しいことや、苦しいことはあとを絶たない。
それは何も震災のことだけじゃない。
それはこの世の中にあふれる出来事の中のひとつだ。
世の中には、今も何も食べれずに、おなかを空かせて死んで行く子供達もいる。
まっすぐに前を見て、夢を描き、それなのにその気持ちさえも引き裂かれて
消えてゆく人々もいる。
世の中には、常に光と影、その重さはどちらも変わることなく存在している。

笑っていても、心で泣いて、苦しみの海にのみこまれないように、
一歩一歩大地を踏みしめ、傷つきながら生きているのが人間だろう。

そんなとき、人は何を考えるだろうか。
苦しみの最中に、人は何を求めるのだろうか。

気持ちをひとつに、わたしはそんな風にはやっぱり言えない。
世の中には、さまざまな環境や状況、
バックボーンを抱えて生きている人がいるから。
自分の知りえない環境、複雑な思い、立場、世の中には
自分の目に見えていることばかりじゃない。
そのそれぞれの立場から、見える景色も思いも、ひとつひとつ違うのだから。

けれども、人は誰かと触れ合う瞬間、光に似た何かを感じることができる。
そばにいる誰かのあたたかさ、ぬくもり、
遠く離れていても、そこに存在する誰かの思いを受け取ることは
そのひとつになる普遍的な何かに似ているのではないか。

同じ星に生まれ、私たちはこの場所にいる。
それぞれに大切なもの、それぞれの悲しみ、怒り、喜び、
すべてはこの同じ丸い地球の中に存在している。

自分には関係ない、知らない、そんなことはきっとこの世の中には無いんだ。

毎日毎日、人はあらゆる可能性をはらんでこの場所で生きている。
大金持ちも権力者も、みんな平等にその可能性を抱えながら生きていることは平等なんだ。
明日、もうこの場所にいないかもしれない。
明日、大切な誰かに、会うことができなくなるかもしれない、
可能性という真理。
みんなみんな、同じセカイに生きている。

だからわたしは、その場所で言葉を紡ぐ。
ゼロという場所。過去と今と、明日が重なるゼロ地点から。

あたしの作品を受け取って、ほんの少しでも楽しくなってくれたらいい。
元気になってくれたらいい。
悲しみの色が、より濃く、より薄く、受け止め方はどちらでもいい、
何かと重なり、ひとつに似た何かに、一瞬でも、リンクすることができるのなら。

海を越えて、国境を越えて、歴史を越えて出会うこと。
言葉が違っても、顔が違っても、感じあえる何かに、嘘はないと思う。
生きている限り、その想いのかけらを、受け止め、
喜びを、悲しみを、光と影を、
作品という願いに変えて、空に、あたしを助けてくれたあなたに、還したい。
還してゆきたい。

ひとりひとりとサインをしながら、言葉を交わしながら、
いろんなことを思った。
目の前で笑っているベイビーズの笑顔の向こう側に存在する
さまざまな歴史や、思いのカケラの面影を感じた。


ありがとう。


次回に続く・・・