Biography
1994年、スカウトをきっかけにベネトンワールドキャンペーンでパリにてモデルデビュー。世界的フォトグラファー、オリビエーロ・トスカーニ撮影による広告は世界中で話題となり、その後日本でのモデル活動を開始。デビューと共に依頼が殺到し、雑誌、広告、数々のコレクション等、ロリータからモードまで、分野を問わず世界観を表現できる稀有な存在として注目を浴びる。
Tsumori Chisato、KEITA MARUYAMA、UNDER COVER、JUNKO SHIMADAをはじめ、日本を代表する数々のコレクション、alexander mcqueen、Christophe Lemaire、FENDI、Balenciaga等のショーにも出演。また、長きに渡りメインモデルをつとめたHiromichi Nakanoのパリコレクション開催時には、唯一の日本人出演モデルとしてトップを飾り話題をさらった。
雑誌媒体では「an・an」「オリーブ」「non-no」「ELLE JAPON」「流行通信」「装苑」をはじめ数々の誌面で巻頭や表紙を飾る。またその活躍はファッション誌のみならず、写真家・篠山紀信氏による「週刊朝日」の表紙や横須賀功光氏による「週刊読売」の表紙等、90年代のカルチャーを牽引するファッションアイコンとして各所で取り上げられた。
モデル引退後は、以前から公私ともに交流のあった世界的フォトグラファー、NAOKI氏のもとで写真を学び、自ら創作した詩と写真を融合した言の葉作品創作やアーティストとのコラボレーション作品にも取り組むなど、写真家や詩人としても活動。
1999年には青山ブックセンター、福岡の美術館にて、言葉と作品を融合した個展、椎名英姫写真展「No filter Only eyes~愛の在処」を開催した。個展での作品発表をきっかけに、ロッキング・オンの「H」や月刊カドカワ、雑誌「marie claire」等でも連載や作品提供を開始。
その一方で、映画「OPEN HOUSE」行定勲監督(辻仁成原作)で主演し女優としてもデビュー。2000年公開の三池崇史監督(村上龍原作)の映画「AUDITION」では主演の麻美役を演じる。その鬼気迫る演技力は上映されるやいなや、クエンティン・タランティーノやモーガン・スパーロックなど、世界各国の映画関係者に衝撃と共に迎えられた。
「AUDITION」はその公開から20年以上が経った現在も、衰えることを知らない圧倒的な存在感を示す。例えばアメリカ「TIME」誌が選ぶ「ホラー映画トップ25」では、唯一の日本映画として選出。また、2020年英国映画協会(BFI)が選ぶ日本映画ベスト作品にも選出され三船敏郎と共に紹介された。この作品は各国でリバイバル上映され続けるなど、世界中に熱狂的なファンが存在し、もはや伝説となっている。
また、2008年に主演した西村喜廣監督の映画「Tokyo Gore Police」では、モントリオール・ファンタジア映画祭でのベスト・アジアフィルム金賞受賞を皮切りに、世界30カ国以上で上映され数々の映画賞を受賞。以降は主に海外での活動がメインとなり、2011年北アメリカ最大のホラー映画フェスティバル「Texas Frightmare Weekend」 にアジア人初のゲストとして招待されるなど、世界のホラークイーンとしての地位を確立。
女優活動をメインとしていたこの時期にも、2010年には椎名英姫的言ノ葉活動と銘打ち、公式サイト「しいなえいひ補完計画~タブリスへ愛を込めて~」にて、アーティスト活動を再開。類まれなる研ぎ澄まされた日本語感覚により、自身の作品における普遍的なテーマとして語り続けてきた光と影を追及し、言の葉世界を表現。
そして2011年、東日本大震災をきっかけに、しいなえいひビジュアルバムプロジェクトを始動。このプロジェクトは言の葉アーティスト・紫いなえい姫が、それまでの活動の集大成として、監督、 脚本、出演、アートディレクション等、全ての創作の総指揮者となり、日本を舞台に様々なアプローチによる言の葉表現を集約したアート作品を創り上げるオリジナルプロジェクトである。
その主たる活動の内容としては、既に撮影を終えた本編三部作「KOTONOHA」「KOTONONE」「KOTONOHANA」を始めとした言の葉映像作品の創作や今回公開となった「紫いなえい姫言の葉美術館」の開設などが挙げられる。さらに、今後開催されるであろう個展やイベント、その他アーティストとのコラボ作品や言の葉パフォーマンスなど、その表現方法はひとつに留まらず、常に様々な出逢いとアンテナによって進化し続けてゆくものである。
2021年、数年間の準備期間を経て、あらゆる表現の旅を終えたしいなえいひが、自らの本来の立ち位置である「言の葉アーティスト・紫いなえい姫」として活動を再開、言の葉美術館での作品発表を皮切りに、今後様々な媒体にて言の葉作品の公開を予定している。